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進まない温暖化ガスの削減

 現在人類が直面しているさまざまな環境問題のなかで、最も重要かつ緊急の課題は二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスによる地球温暖化です。2100年には地球の平均気温が4度程度(最大5.8度)上昇、その結果、海面は50cm程度(最大88cm)上昇し、悪夢のような未来をもたらすと予測されるのです。そうなると、

 1.低い土地は水没し、数千万人が住居を失う。
 2.土地の乾燥化が進んで食糧生産が低下し、数億人が食糧難におちいる。
 3.降水量が減り、世界各地で水不足が起きる。
 4.かつてない巨大台風が多発し、甚大な被害をもたらす。
 5.マラリアやデング熱などの熱帯性の感染症が温帯にも広がる。
 6.多くの生物種が気候変動に対応できずに絶滅する。
 7.以上の結果、数千万~数億人の環境難民が発生し、世界各地で深刻な政情不安が生じる。

 ……では、どうすればいいのでしょうか?

 地球温暖化を防止するため、1997年に同意された京都議定書では、CO2などの温室効果ガスを2008~12年に、先進国全体で1990年比で平均5.2%削減することを義務付けています。

 しかし、その後のアメリカ離脱や途上国の排出増加により、京都議定書による削減対象は世界全体の排出量の約3割に過ぎません。今後は、世界の4分の1を排出するアメリカはもちろん、中国やインドなどの途上国が参加しなければ、有効な対策にはならないのです。

 人類に深刻な影響を与えない範囲で地球温暖化を抑えるためには、地球の平均気温の上昇幅を2度以内に抑えるべきだといわれています。そのためには2050年の全世界の排出量を、約半分に減らす必要があるとされています。

 しかし、今のところ、途上国は自らの削減義務につながりかねない議論を一貫して拒否し、先進国からの資金援助や省エネ技術支援のさらなる充実を訴えています。先進国と途上国が対立する中、世界が協力すべき温暖化対策は一向に進んでいないのです。

ドイツの80%削減計画

 そんななか、環境先進国と呼ばれるドイツは、2050年までに80%減(1990年比)という飛びぬけて高い目標をかかげ、国を挙げて温室効果ガスの削減に取り組んでいます。

 その実現の手段の中心は、風力・バイオマス・太陽光・地熱など再生可能エネルギーの普及で、エネルギー供給に占める割合を現状の20%未満から、2050年までに50%まで高めることを目標にしています。

 このほかに徹底した省エネやエネルギー効率の向上など、さまざまな手段が織り込まれています。このような取り組みはすでに1990年頃から始まっており、現在までに温室効果ガスの20%削減を達成しているのです。

 ドイツに先駆けて2030年までに50%削減という目標を掲げているのがデンマークです。デンマークは特に風力発電の導入を図り、既に約5400機の風力発電が建設されており、電力の20%近くをまかなっています。最近は、沿岸の海上に大規模な風力発電の開発も進んでいます。

 このほかに、フランスは75%、イギリスは60%、オランダは80%削減(いずれも2050年までに)という目標を掲げています。

日本も70%削減可能

 では、日本はどうでしょうか。今のところ京都議定書の目標である6%削減どころか逆に7%程度増えているのが現状で、温暖化対策は進んでいません。しかし、昨年、国立環境研究所は、2050年までに日本のCO2排出量を70%削減できるとの推計結果をまとめました。

 それによると、エネルギー利用を効率化し、燃料電池や風力発電、バイオマス(植物)燃料といった新エネルギーを増やすことによって大幅なCO2削減が可能であるとしています。

 具体的には、住宅やビルなど建物の半数の屋根に太陽電池パネルを設置し、風力発電を最大限に設けることによって、現在の総発電量の約半分に相当する1億2千万kwを自然エネルギーによって発電します。

 さらにバイオマス燃料で水素を製造して自動車や住宅の燃料電池に供給したり、都市構造や交通の効率化などによってエネルギー消費を30%以上減らすことが可能だとしています。なお、原子力発電所は新増設せずに、老朽化に伴って順次廃止し、22基(現在は52基)に減少させます。

 このように、さまざまな工夫と努力によって温室効果ガスを大幅に削減することが可能であることがようやくわかってきたのです。もちろん、先進国と途上国の資源の分配の不公平や、原子力発電をどうするかなど、検討すべき課題は山積みされています。しかし、地球環境を守るための方策もわずかながら見えてきているのです。(平成18年10月17日記す)

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「エコロジカル・フットプリント」とは?

 20世紀の始め、20億だった世界の人口は、わずか100年で3倍以上に増加しました。今年2月には65億を突破し、さらに毎年約7000万人のペースで増え続けると見られています。

 人間が生きていくには、食糧となる植物や動物が必要です。さらに、現代人のような豊かな暮らしを送るためには、大量の資源やエネルギーが消費されます。それによって地球環境には大きな負荷がかかっています。

 今後も増大が予想される人口に地球環境は耐えられるのか? 地球は一体どれだけの人間を養えるのか? その答えを出すために考え出された回答のひとつが「エコロジカル(生態学的)・フットプリント(足跡)」という指標です。

 これは、人類が消費する食糧や資源・エネルギーを、その生産などに必要な土地面積で表したものです。具体的には、1.食糧や紙、木材などの生産に必要な土地面積。2.魚などの生産に必要な漁場面積。3.化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の燃焼で排出される二酸化炭素(co2)を吸収するために必要な森林面積。――を合計したもので、一言で言うと、人間1人が生きていくために必要な自然を面積で表したものです。

すでに20%超過!

 現在、地球上で生産能力がある土地は地表の約25%にあたる113億ヘクタールで、これを世界人口で割ると、1人当たり約1.7ヘクタール。これが1人当たりに平等に割り当てられるエコロジカル・フットプリントになります。

 しかし、推計によると2001年に人類が消費した自然資源をエコロジカル・フットプリントに換算すると、135億ヘクタールになり、地球の限界をすでに約20%上回っているのです。この限界を超えたのは1980年代といわれています。

 過去40年間で、化石燃料の消費は8倍にもなり、二酸化炭素は、森林や海洋が吸収できる限度を大きく超え、地球温暖化が進行しています。増大する食糧需要によって熱帯林が牧草地に変えられ、このままのペースで森林破壊が進行すると2050年までに熱帯林のほとんどが消滅するという予測もあります。

 地球はすでに養える人口の限界を超え、その分は環境の悪化という形で将来に付けが回ります。まさに、今生きている我々人間こそが、地球環境を劇的に悪化させた責任を負っているのです。

不平等な地球社会

 地球の資源やエネルギーは、平等に分配されているわけではありません。1人当たりで見ると、先進国は発展途上国の14倍もの資源やエネルギーを消費しています。

 推計によると、アメリカ人1人のエコロジカル・フットプリントは9.5ヘクタールで、先に述べた1人当たりの面積、1.7ヘクタールの5.6倍となります。つまり、もし世界の人間がアメリカ人並みの生活をするには、地球が5.6個(つまりあと4.6個)必要ということになります。

 なお、日本人は4.3ヘクタールで、この生活水準でも地球は2.5個必要です。日本を含め先進国の人々の生活はすでに地球の環境許容限度をはるかに超えた生活をしているのです。

 一方、インド人は0.8ヘクタールで地球0.5個分、つまりこの生活水準ならまだ地球は余裕があるのです。地球の生態系を持続可能な形で維持していくためには、アメリカや日本をはじめとする先進国の過剰な資源消費を大幅に減らしていくことが必要なのです。

40年後は90億人!

 世界の人口は、今後も増え続け、2013年に70億、2027年に80億、2045年には90億を超えると予測されています。これは、地球の許容限度をはるかに超える「人口爆発」ともいえる事態です。

 人口の増大は、主にアジアやアフリカ、南米の開発途上国で生じています。貧富の差はますます拡大し、資源やエネルギーの争奪戦が激化することが予想されます。現在の石油価格の高騰も、限られた資源の奪い合いがすでに始まっていると見ることも出来るのです。

 このような悪夢のような事態を回避することは出来るのでしょうか? 持続可能で、世界の人々が豊かに暮らせる社会を作ることは可能なのでしょうか? 次回は、絶望的にさえ思える現状から、かすかな可能性を探っていきたいと思います。(平成18年9月13日記す)

科学技術がもたらしたもの

 文明の誕生以来、人間は森林を破壊し続けてきました。しかし、人間もまた動物である以上、その食料や住居、燃料などを植物の生産性に依存せざるを得ませんでした。そのため、栄華を誇った文明も森林の消滅とともに衰退していったのです。古代メソポタミア文明・ギリシャ・ローマ文明、そしてヨーロッパ文明も例外ではありませんでした。

 このシリーズの第1回(平成17年9月号)では、絶海の孤島イースター島で花開いた謎の巨石文明が、森を切りつくして崩壊したことを取り上げました。地球もまた宇宙に浮かぶ孤島ともいえるのです。人間はイースター島の人々のように生存基盤を失って滅びるのでしょうか?

 しかし、18世紀の産業革命以降、人間は新たな道を見出したのです。それは、石炭や石油という化石燃料を消費することによって、森林の生産性に依存することなく科学技術を進化させる道でした。これによって人間は大きな力を手に入れたのです。そして、蒸気機関や自動車、そして原子力と、次々に新たな科学技術を進化させました。

 ほんの数十年前まで、人間の未来は無限に明るく輝いて見えていました。しかし今、かつては予想も出来なかった新たな危機に直面しています。それは、前回取り上げた深刻化する環境汚染と、化石燃料の大量消費による二酸化炭素の増大がもたらした地球温暖化です。

人類に未来はあるのか?

 1.地球の平均気温は、2100年には平均気温が最大5.8℃上昇、海面は最大88cm上昇する。2.低い土地は水没し、数千万人が住居を失う。3.土地の乾燥化が進み、食糧生産が大幅に低下し、数億人が食糧難におちいる。4.降水量が低下し、世界各地で水不足が起きる。5.かつてない巨大台風が多発し、甚大な被害をもたらす。6.マラリアやデング熱などの熱帯性の感染症が温帯にも広がる。7多くの生物種が気候変動に対応できずに絶滅する。8.以上の結果、数千万~数億人の環境難民が発生し、世界各地で深刻な政情不安が生じる。

 これは世界の科学者が予想する、100年後の地球の姿です。もちろん不確定な要素を含む「予想」であって、それがいつ起こるのか、どの程度起こるのかは誰にも分かりません。しかし、これらの現象は、起こってしまってからではどうすることもできません。そして、すでにその兆しが見え始めているのです。

 最近、世界各地で異常気象が相次ぎ、地球温暖化との関連が指摘されています。一昨年以来、日本は過去に例を見ないほど多くの台風に襲われています。昨年はアメリカで超大型のハリケーンが襲来し、未曽有の被害が出ました。これらの現象は地球温暖化と関係があると指摘されています。グリーンランドやヒマラヤの氷河は後退し続け、太平洋やインド洋の島国では海岸侵食が進みつつあります。

 地球温暖化対策は昨年ようやく京都議定書が批准されたものの、アメリカは参加せず、日本の目標達成も絶望的といわれています。その一方で、開発途上国の二酸化炭素排出量が増大し続けています。

 温暖化だけではありません。ほかにも、先進国では改善が見られるものの途上国においては大気汚染や水質汚染が深刻化しています。さらに、地球的規模で進行しつつある砂漠化や生物種の大量絶滅などいずれも深刻化の一途をたどっています。

100年後の悪夢

 このような深刻な事態を解決するには、世界がエネルギーの大量消費社会から脱却し、持続可能な省エネルギー社会が実現するしかありません。しかし、各国の利害が対立する中、まだその解決の糸口すらつかめないでいるのです。

 人口は生態学的な限度を大きく超えて増大し、今や65億を超えました。森林の約半分が失われ、人間の食料を生産するための農地に作り変えられました。地球は人間と人間によって飼育される牛や豚、鶏などの動物だけが異常に繁殖するいびつな星になってしまいました。そして今、残り少なくなった地球の資源の奪い合いが生じているのです。

 人間は、そもそも地球によって生かされている生き物なのです。にもかかわらず、人間のみが地球の主人であるという思い上がりが、このような事態を招いたともいえるのです。今こそ真摯に反省すべきなのではないでしょうか。物質的な豊かさを謳歌してきた現代文明は、このままではそう遠くない将来、行き詰まってしまうことになるのです。(平成18年8月17日記す)

18世紀に始まった産業革命は、石炭や石油という化石燃料の開発し、人類に豊かで便利な生活をもたらした、一方で深刻な環境汚染を引き起こしました。そして今、環境汚染は先進国から途上国へ広がっています。

産業革命と「公害」の発生

 これまで見てきたように文明の歴史は、森林破壊の歴史でした。人間も動物である以上、その食料や住居・衣服・燃料などを植物の生産性に依存せざるを得なかったのです。そのため、栄華を誇った文明も森林の消滅とともに衰退していきました。古代メソポタミア文明・ギリシャ・ローマ文明、そしてヨーロッパ文明も例外ではありませんでした。

 しかし、18世紀の産業革命によって、人間は新たな道を見出しました。それは、石炭や石油という化石燃料を消費することによって、森林の生産性に依存することなく科学技術文明を進化させる道でした。蒸気機関から自動車、そして原子力と、人間は次々に新たな科学技術を手に入れ、より便利で快適な生活を手に入れました。

 一方で、産業革命は深刻な環境汚染を引き起こしました。すでに18世紀の終わり頃からロンドンなどイギリスの工業都市では、工場が吐き出す煤煙による大気汚染と工業排水による水質汚染が深刻化し、重大な健康被害が生じていました。その後、こうした工業化は19世紀から20世紀にかけて、まずヨーロッパに、次いでアメリカや日本に広まり、イギリスと同じような状況が繰り返されました。

 日本における環境汚染は19世紀の終わりに発生した「足尾鉱毒事件」をはじめとし、1960~80年代にはいわゆる「公害」として、大きな社会問題となりました。「水俣病」「イタイイタイ病」「四日市ぜんそく」などの公害病が発生し、重大な健康被害をもたらしたのです。

 その後、こうしたことへの反省から厳しい環境基準が設けられ、全体としては大きく改善に向かっています。世界的に見ても先進国では20世紀中に大きく改善されましたが、途上国の多くではいまだに深刻な環境汚染が続いています。

途上国の広がる環境汚染

 現在、歴史上例を見ないきわめて深刻な環境汚染が中国で進行しています。たとえば、昨年11月には東北部の吉林省で石油化学工場が爆発してベンゼンなどの有害化学物質が大量に流出し、重大な環境汚染をひきおこしました。またその際、工場の責任者や地元政府担当者が情報を隠蔽したことがさらに事態の深刻化を招きました。

 中国では、この事件は氷山の一角にすぎず、表面化していない環境汚染事故は無数にあると見られています。中国政府の調査でも、中国全土の工業排水の3分の1、生活汚水の9割以上が未処理で直接河川に流され、観測所のある全国1200河川のうち、「汚染河川」数は850に上ります。それによって有機物などで汚染された飲用水を、1億6000万人もの人が利用しているという驚くべき実態が明らかになっています。

 汚染は農村部にまで広がり、不法に投棄された工場廃水や鉱山排水よって河川や地下水が汚染されている例は無数にあるといわれます。汚染拡大の根本的な原因は、人口膨張と経済最優先の政策にあり、さらに地元政府の環境意識の低さ、人権意識の欠如、企業との癒着が指摘されています。

 汚染は、川から海にも広がっています。沿岸部では観測地点の約50%が環境基準に達しておらず、約35%が深刻な汚染と判定されました。近年日本海で大量に発生し深刻な漁業被害をもたらしたエチゼンクラゲの大発生も、中国沿岸部の富栄養化が原因とされています。

 環境汚染が原因の住民暴動も各地で発生しています。浙江省紹興市では昨年7月、製薬工場の廃棄物による農産物汚染に対し1万5000人の農民が工場を取り囲んで操業停止に追い込みました。しかし、このような例はまれで、その多くは表面化せず、被害者は泣き寝入りせざるを得ない状況といわれています。

 大気汚染も深刻です。中国政府の非公式推計では2003年には40万人(!)が大気汚染が原因とされる肺、心臓疾患で死亡。都市人口の3分の1が「健康に影響する」汚染にさらされ、そのうち1億1600万人が「非常に危険」な汚染の中で生活しているとされているのです。

 このような深刻な環境汚染は中国だけではなく、世界の開発途上国に広まっています。このような事態に対し、過去に深刻な環境汚染を経験しその多くを解決してきた日本をはじめとする先進国の援助は十分ではありません。

 また、現地政府の無策や企業との癒着、法整備の遅れなどもあり事態は深刻化しています。日本人にとっては、「公害」は過去のものとなった感もあります。しかし、開発途上国では今まさに深刻化しつつあるのです。

「理想世界」に掲載

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