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科学技術がもたらしたもの

 文明の誕生以来、人間は森林を破壊し続けてきました。しかし、人間もまた動物である以上、その食料や住居、燃料などを植物の生産性に依存せざるを得ませんでした。そのため、栄華を誇った文明も森林の消滅とともに衰退していったのです。古代メソポタミア文明・ギリシャ・ローマ文明、そしてヨーロッパ文明も例外ではありませんでした。

 このシリーズの第1回(平成17年9月号)では、絶海の孤島イースター島で花開いた謎の巨石文明が、森を切りつくして崩壊したことを取り上げました。地球もまた宇宙に浮かぶ孤島ともいえるのです。人間はイースター島の人々のように生存基盤を失って滅びるのでしょうか?

 しかし、18世紀の産業革命以降、人間は新たな道を見出したのです。それは、石炭や石油という化石燃料を消費することによって、森林の生産性に依存することなく科学技術を進化させる道でした。これによって人間は大きな力を手に入れたのです。そして、蒸気機関や自動車、そして原子力と、次々に新たな科学技術を進化させました。

 ほんの数十年前まで、人間の未来は無限に明るく輝いて見えていました。しかし今、かつては予想も出来なかった新たな危機に直面しています。それは、前回取り上げた深刻化する環境汚染と、化石燃料の大量消費による二酸化炭素の増大がもたらした地球温暖化です。

人類に未来はあるのか?

 1.地球の平均気温は、2100年には平均気温が最大5.8℃上昇、海面は最大88cm上昇する。2.低い土地は水没し、数千万人が住居を失う。3.土地の乾燥化が進み、食糧生産が大幅に低下し、数億人が食糧難におちいる。4.降水量が低下し、世界各地で水不足が起きる。5.かつてない巨大台風が多発し、甚大な被害をもたらす。6.マラリアやデング熱などの熱帯性の感染症が温帯にも広がる。7多くの生物種が気候変動に対応できずに絶滅する。8.以上の結果、数千万~数億人の環境難民が発生し、世界各地で深刻な政情不安が生じる。

 これは世界の科学者が予想する、100年後の地球の姿です。もちろん不確定な要素を含む「予想」であって、それがいつ起こるのか、どの程度起こるのかは誰にも分かりません。しかし、これらの現象は、起こってしまってからではどうすることもできません。そして、すでにその兆しが見え始めているのです。

 最近、世界各地で異常気象が相次ぎ、地球温暖化との関連が指摘されています。一昨年以来、日本は過去に例を見ないほど多くの台風に襲われています。昨年はアメリカで超大型のハリケーンが襲来し、未曽有の被害が出ました。これらの現象は地球温暖化と関係があると指摘されています。グリーンランドやヒマラヤの氷河は後退し続け、太平洋やインド洋の島国では海岸侵食が進みつつあります。

 地球温暖化対策は昨年ようやく京都議定書が批准されたものの、アメリカは参加せず、日本の目標達成も絶望的といわれています。その一方で、開発途上国の二酸化炭素排出量が増大し続けています。

 温暖化だけではありません。ほかにも、先進国では改善が見られるものの途上国においては大気汚染や水質汚染が深刻化しています。さらに、地球的規模で進行しつつある砂漠化や生物種の大量絶滅などいずれも深刻化の一途をたどっています。

100年後の悪夢

 このような深刻な事態を解決するには、世界がエネルギーの大量消費社会から脱却し、持続可能な省エネルギー社会が実現するしかありません。しかし、各国の利害が対立する中、まだその解決の糸口すらつかめないでいるのです。

 人口は生態学的な限度を大きく超えて増大し、今や65億を超えました。森林の約半分が失われ、人間の食料を生産するための農地に作り変えられました。地球は人間と人間によって飼育される牛や豚、鶏などの動物だけが異常に繁殖するいびつな星になってしまいました。そして今、残り少なくなった地球の資源の奪い合いが生じているのです。

 人間は、そもそも地球によって生かされている生き物なのです。にもかかわらず、人間のみが地球の主人であるという思い上がりが、このような事態を招いたともいえるのです。今こそ真摯に反省すべきなのではないでしょうか。物質的な豊かさを謳歌してきた現代文明は、このままではそう遠くない将来、行き詰まってしまうことになるのです。(平成18年8月17日記す)

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