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「エコロジカル・フットプリント」とは?

 20世紀の始め、20億だった世界の人口は、わずか100年で3倍以上に増加しました。今年2月には65億を突破し、さらに毎年約7000万人のペースで増え続けると見られています。

 人間が生きていくには、食糧となる植物や動物が必要です。さらに、現代人のような豊かな暮らしを送るためには、大量の資源やエネルギーが消費されます。それによって地球環境には大きな負荷がかかっています。

 今後も増大が予想される人口に地球環境は耐えられるのか? 地球は一体どれだけの人間を養えるのか? その答えを出すために考え出された回答のひとつが「エコロジカル(生態学的)・フットプリント(足跡)」という指標です。

 これは、人類が消費する食糧や資源・エネルギーを、その生産などに必要な土地面積で表したものです。具体的には、1.食糧や紙、木材などの生産に必要な土地面積。2.魚などの生産に必要な漁場面積。3.化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の燃焼で排出される二酸化炭素(co2)を吸収するために必要な森林面積。――を合計したもので、一言で言うと、人間1人が生きていくために必要な自然を面積で表したものです。

すでに20%超過!

 現在、地球上で生産能力がある土地は地表の約25%にあたる113億ヘクタールで、これを世界人口で割ると、1人当たり約1.7ヘクタール。これが1人当たりに平等に割り当てられるエコロジカル・フットプリントになります。

 しかし、推計によると2001年に人類が消費した自然資源をエコロジカル・フットプリントに換算すると、135億ヘクタールになり、地球の限界をすでに約20%上回っているのです。この限界を超えたのは1980年代といわれています。

 過去40年間で、化石燃料の消費は8倍にもなり、二酸化炭素は、森林や海洋が吸収できる限度を大きく超え、地球温暖化が進行しています。増大する食糧需要によって熱帯林が牧草地に変えられ、このままのペースで森林破壊が進行すると2050年までに熱帯林のほとんどが消滅するという予測もあります。

 地球はすでに養える人口の限界を超え、その分は環境の悪化という形で将来に付けが回ります。まさに、今生きている我々人間こそが、地球環境を劇的に悪化させた責任を負っているのです。

不平等な地球社会

 地球の資源やエネルギーは、平等に分配されているわけではありません。1人当たりで見ると、先進国は発展途上国の14倍もの資源やエネルギーを消費しています。

 推計によると、アメリカ人1人のエコロジカル・フットプリントは9.5ヘクタールで、先に述べた1人当たりの面積、1.7ヘクタールの5.6倍となります。つまり、もし世界の人間がアメリカ人並みの生活をするには、地球が5.6個(つまりあと4.6個)必要ということになります。

 なお、日本人は4.3ヘクタールで、この生活水準でも地球は2.5個必要です。日本を含め先進国の人々の生活はすでに地球の環境許容限度をはるかに超えた生活をしているのです。

 一方、インド人は0.8ヘクタールで地球0.5個分、つまりこの生活水準ならまだ地球は余裕があるのです。地球の生態系を持続可能な形で維持していくためには、アメリカや日本をはじめとする先進国の過剰な資源消費を大幅に減らしていくことが必要なのです。

40年後は90億人!

 世界の人口は、今後も増え続け、2013年に70億、2027年に80億、2045年には90億を超えると予測されています。これは、地球の許容限度をはるかに超える「人口爆発」ともいえる事態です。

 人口の増大は、主にアジアやアフリカ、南米の開発途上国で生じています。貧富の差はますます拡大し、資源やエネルギーの争奪戦が激化することが予想されます。現在の石油価格の高騰も、限られた資源の奪い合いがすでに始まっていると見ることも出来るのです。

 このような悪夢のような事態を回避することは出来るのでしょうか? 持続可能で、世界の人々が豊かに暮らせる社会を作ることは可能なのでしょうか? 次回は、絶望的にさえ思える現状から、かすかな可能性を探っていきたいと思います。(平成18年9月13日記す)

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