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ほとんどは中国産

 日本で使用される割り箸は約250億膳、一人当たり年間200膳も使い捨てられています。割り箸の98%は輸入品で、そのうちの97%が中国産です。材料となるシラカバなどの木材は、黒龍江省や吉林省などの東北地方(旧満州)や内モンゴル自治区などで伐採され、原木が丸ごと割り箸に加工されています。

 最近、割り箸の原料となる木材が不足しています。割り箸を使う習慣は、もともと日本人だけのものですが、今では、中国国内でも年間150億膳が消費されています。さらに、中国経済の発展に伴う住宅建設のため木材消費が増え、これまで割り箸にしか使われなかった節の多いシラカバ材の需要が高まっています。

 そのため、中国政府は植林など森林保護政策に力を入れるとともに、割り箸の輸出を規制しはじめています。一年ほど前には割り箸の輸出価格が一気に3割も上がり、今後さらなる値上げが予想されています。

 また最近は、中国国内の木材不足を補うため、ロシアやモンゴルから木材が輸入され、その一部は割り箸に加工されています。ロシアやモンゴルでは原生林が伐採され、植林はほとんど行われていません。つまり、日本で使われる割り箸が森林破壊を引き起こしているのです。

 こうしたことから、日本では今後、割り箸の使用量を減らしていくことが求められているのです。最近コンビニなどでは、弁当に付く割り箸を必要な人にだけ渡すなどの取り組みをはじめています。また、自分の箸を持ち歩いて、割り箸を使わないようにする運動も進められているなどの素晴らしい動きも出ています。

 しかし、多くの人にとって、一度使い捨ての便利さに慣れきってしまうと、なかなか改めることができないのが現実のようです。

20年前の「割り箸追放運動」

 ところで、今から20年ほど前にも、「割り箸」が森林資源の無駄遣いだという批判が高まり、いわゆる「割り箸追放運動」が広がったことがありました。1989年には「世界自然保護基金」(WWF)が、日本が割り箸の大量使用によって熱帯林を破壊しているとして非難したこともあり、割り箸が森林破壊の象徴のようにいわれました。では、実際はどうだったのでしょうか。

 当時、日本で使用されていた割り箸の多くは国産材で、間伐材や角材に加工するときに出る端材などでした。一時的にインドネシアなどからの輸入はあったものの、割り箸には熱帯材はあまり使われていなかったのです。そういう点で、当時の割り箸追放運動は多少的が外れていたようです。

 しかし、当時の日本は大量の熱帯材を輸入し、コンクリート用の型枠などに使い捨てされていました。使い捨て文化への反省のシンボルとして、身近な割り箸が槍玉に上げられたとも言えるでしょう。

森を育てる「国産割り箸」

 今回の、中国産割り箸の値上がりを機会に、国産材の割り箸を使おうという動きもあります。先に述べたように、もともと日本の割り箸はスギやヒノキの間伐材で作られてきました。植林されたスギやヒノキは定期的な間伐(木の成長に合わせて間引きすること)が必要です。しかし、間伐材は細くて利用価値が低く、間伐する際の人件費にもならないほど安価なのです。そのため、伐採されずに放置され、せっかく植林した山が荒れ果ててしまっていることも多いのです。

 日本人は長い間、森の木を大切に育て利用してきました。木材は再生可能な資源であり、使った分だけ植林すればいつまでも無くなることのない資源です。木は最終的にそのほとんどが燃やされ、二酸化炭素が排出されますが、その分植林されて木が生長すれば吸収されます。ですから、全体としてみれば地球温暖化の原因となる二酸化炭素は排出されません。

 そういうわけで、国産の木材を大いに利用し、林業を活性化することは、森林保護のためにも必要なのです。しかし、ここ20年ほどの間に、価格の安い中国産に押されて国産の割り箸の生産量は大幅に低下し、多くの業者が廃業してしまいました。また価格も中国産の3倍以上で、なかなか普及しないのが現状です。

 環境問題の本質を見極めるのは容易ではありません。単純に「割り箸は森林資源の無駄使いだからやめよう」というのは必ずしも正しくありません。中国産の割り箸はなるべく使わず、「マイ箸」の持ち歩きをする一方で、スギやヒノキの間伐材や端材を利用した国産品は、森林の保護育成のためにも大いに利用したいものです。(平成18年12月4日記す)

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