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地球温暖化の深刻さを訴えたドキュメンタリー映画「不都合な真実」が注目されています。地球の温暖化は、もはや単なる仮説などではありません。すでに進行しつつある現実なのです。

「不都合な真実」とは?

 この映画は、アメリカの元副大統領アル・ゴア氏が二酸化炭素(CO2)などの排出増加によって進行する地球温暖化の実態と未来予測を、科学的データと映像を交えながら解説したものです。

 アメリカ政府や経済界が経済のみを優先し、温暖化の進行という「不都合な真実」(An Inconvenient Truth)を直視しない姿勢を批判し、今すぐ真剣に温暖化対策に取り組まないと取り返しがつかないことになると訴えています。ゴア氏自身の活動を紹介するなど、政治宣伝的な要素も見られますが、内容は真実を衝いています。

 映画の根拠となっている科学的データは、温暖化に関する国連の諮問機関であるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が今年2月に発表した報告書です。それによると、今後の温暖化対策によりますが、地球の平均気温は今世紀末には最大で6・4度上昇、海面は最大59㎝上昇すると予測されています。

今世紀中に起こる異変

 では、温暖化は具体的にどんな事態を引き起こすのでしょうか? 以下は、今後数十年から百年の間に起こると予想される異変です。

  1 多くの地域で降水量が低下し、土地の乾燥化が進む。
  2 世界各地で水不足が起きる。
  3 食糧生産が大幅に低下し、数億人が食糧難におちいる。
  4 アマゾンの熱帯林のほとんどが消滅する。
  5 かつてない巨大台風が多発し、甚大な被害をもたらす。
  6 マラリアやデング熱などの熱帯性の感染症が温帯にも広がる。
  7 多くの生物種が気候変動に対応できずに絶滅する。
  8 低い土地は水没し、数千万人が住居を失う。
  9 数千万~数億人の環境難民が発生し、世界各地で深刻な政情不安が生じる。

 これは、不確定な要素を含む「予想」であって、それがいつ起こるのか、どの程度起こるのかは誰にも分かりません。しかし、起こってしまってからではどうすることもできません。そして、すでにその兆しが見え始めているのです。

 近年、世界各地で異常気象が相次いでいます。日本も過去例を見ないほど多くの台風に襲われるようになりました。アメリカでは一昨年、超大型のハリケーンが襲来し、未曽有の被害が出ました。これらの現象は地球温暖化と関係があると指摘されています。

 また、グリーンランドやヒマラヤの氷河は後退し続け、それによって海面上昇が引き起こされています。海面上昇によって南極の棚氷は下から突き上げられ、大規模に崩壊しています。これが引き金となって大陸の氷床が不安定化して海に流れ出せば、いずれ極端な海面上昇を引き起こすという予測もあります。

2050年までに50%削減が必要

 温暖化防止のための第一歩は、1997年に同意された京都議定書です。それによるとCO2などの温室効果ガスを2008~12年までに、先進国全体で平均5・2%削減(1990年比)することを義務付けています。

 ところが、アメリカの離脱や途上国の排出増加により、京都議定書による温室効果ガスの削減対象は世界全体の3割程度になってしまいました。今後は、世界の4分の1を排出するアメリカはもちろん、中国やインドなどの途上国が参加しなければ有効な対策にはならないのです。

 しかし、途上国は自らの削減義務につながりかねない議論を拒否し、先進国からの資金援助や省エネ技術支援のさらなる充実を訴えています。先進国と途上国が対立する中、世界が協力すべき温暖化対策は一向に進んでいません。

 日本も京都議定書に定められた温室効果ガスの6%削減は困難で、逆に現在までに排出量が7%増えています。これまで温暖化対策に積極的なヨーロッパと消極的なアメリカとの間で様子を見ながら、抜本的な対策を先延ばしにしてきたことは否定できません。

 温暖化の進行を深刻な影響を与えない範囲で抑えるためには、地球の平均気温の上昇幅を2度以内に抑えるべきだといわれています。そのためには「2050年の全世界の温室効果ガス排出量を、約50%削減(1990年比)する必要がある」とされ、今年6月にドイツのハイリゲンダムで開催された主要国首脳会議においても欧州連合(EU)諸国がこれを目標として宣言に盛り込むことを主張しました。しかしアメリカの反対で「2050年までに温室効果ガスの排出量を少なくとも半減させることを真剣に検討する」というあいまいな宣言に終わりました。

 温暖化を防ぐには、世界がエネルギーの大量消費社会から脱却し、持続可能な省エネルギー社会が実現するしかありません。しかし、各国の利害が対立するなか、地球温暖化は確実に進行しているのです。(平成19年6月15日記す)


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