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 近年、かつてない夏の猛暑が日本の都市を襲っています。35℃を超える日も珍しくなくなり、40℃を超えることさえあります。なぜこうなったのか、今後どうなるのか、何をすべきなのかを考えます。

「猛暑日」が日常になる?

 今年(2007年)から、1日の最高気温が35℃以上の日を「猛暑日」と呼ぶことになりました。これまで気象庁が定める暑さを表す用語には「夏日」(1日の最高気温が25℃以上の日)、「真夏日」(同30℃以上)」、「熱帯夜」(夜間の最低気温が25℃以上)がありましたが、新たに「猛暑日」が加わったのです。

 かつて日本では、真夏でも最高気温が35℃を越える日はあまりありませんでした。しかし、1990年以降急増し、この10年間(1997~2006年)の主要4都市(東京、大阪、名古屋、福岡)での35℃以上の日が合わせて335日となり、1967~76年の3倍近くになったのです。

 夜の蒸し暑さも加速しています。東京の「熱帯夜」は、20世紀の初めに2年に1回程度しかありませんでしたが、最近は年間30日を超えています。このままでは、「猛暑日」が日常的になることも予想されています。

 また、この100年間の年平均気温を見ると東京では3.0℃、名古屋は2.6℃、京都、福岡では2.5℃上昇しています。これは地球温暖化による気温上昇(約0.8℃)の数倍に達します。では、なぜ大都市だけが異常に暑くなるのでしょうか?

増大するエネルギー消費

 都市が暑くなる原因は大きく分けて3つあります。第一は、増大するエネルギー消費です。大都市圏に集中する自動車や工場、発電所などでは毎日、莫大な量の石油や石炭、天然ガスが消費され、熱となって大気中に放出されています。

 さらに地方の発電所から送られてくる大量の電力も都市で消費され、最終的に熱エネルギーとなります。その結果、東京23区のエネルギー消費密度は、1平方メートルあたり平均40ワット以上で、年間平均日射量(80ワット)の約半分に相当します。いわば東京には太陽が1.5個あるようなものなのです。

 第二は、森林や田畑をつぶし、地面をコンクリートやアスファルトで固めてしまったため、水の蒸発量が減少し、冷却効果が失われたためです。例えば、東京都23区の、「みどり率」(緑地と池などの水面を合わせた割合)はわずか29%です。

 第三は、建造物などによる蓄熱効果です。ビルなどの建造物やアスファルトで舗装された道路は、直射日光の熱を吸収してため込みます。これが放出されることによって、特に夕方から夜間の気温が上昇するのです。さらに、最近の調査では林立する高層ビルが内陸に向かって吹く涼しい海風を遮る「壁」となり、気温上昇を加速させていることもわかりました。

将来は40℃を超える?

 都市部におけるエネルギー消費は現在も年率2~3%ずつ伸びており、30年後には今の2倍に達すると予想されます。このままでは、2030年頃には都心の夏の夕方6時の気温が日常的に40℃を超えるとの予測もあります。

 今後は、「猛暑日」どころか「最高気温が40℃以上の日」や「夜間の最低気温が30℃以上の日」を表す言葉を考える必要がでてくるのかもしれません。では、対策はあるのでしょうか?

 東京都は、「緑の東京計画」として2001年から一定規模のビルに屋上緑化を義務付け、2015年までに1200ヘクタールを緑化するという目標を立てました。また、水を溜め込み、蒸発させる透水性のアスファルトの実用化なども進みつつあります。しかし、いずれも効果が上がるまでに至っていません。

 一方、市民が主体となって「打ち水」によって、気温を下げようという取り組みが各地で始まっています。これは、地面に水をまくことで地面から気化熱を奪い温度を下げるとともに、上昇気流を起こすことによって風を起こし体感温度を下げようというものです。実際それによって、気温が1.8℃下がった地域もあり、一定の効果が実証されています。

根本対策は「省エネ」

 しかし、このような取り組みだけでは文字通り「焼け石に水」です。また、地球そのものの温暖化も進行しています。これは、主に二酸化炭素(CO2)などの、温室効果ガスの排出増加によるもので、エネルギー消費による熱の放出が主な原因となっているヒートアイランドとは別の現象です。しかし、人間による大量のエネルギー消費が原因という点では共通しています。

 ヒートアイランド対策も地球温暖化対策も、根本的には現在のエネルギー大量消費社会を見直し、省エネルギー社会をつくる以外ありません。いますぐ真剣に取り組まないと人が住めない地球になってしまう。灼熱化する都市はその警鐘を鳴らしているのです。(平成19年7月17日記す)

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