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 オゾン層を破壊するフロンガスの規制が始まって20年。南極上空では依然、最大規模のオゾンホールが出現しています。しかし、わずかずつですが回復する気配も見えてきました。最近、地球温暖化の進行が大きく取り上げられる一方で、あまり報道されなくなった「オゾン層破壊」の現実を見てみます。

最大規模が続くオゾンホール

 成層圏のオゾン層は、太陽から降り注ぐ有害な紫外線を吸収し、地球上の生命を守っています。このオゾン層がフロンによって破壊されている可能性が指摘されたのは1974年。1985年には、南極上空でオゾンの量が極端に減少する「オゾンホール」が確認されました。オゾンホールは、その後急速に拡大していることがわかり、重大な地球環境問題となりました。

 オゾン層が破壊されて紫外線が増えると、皮膚ガンや白内障が増加し、農作物にも悪影響を与えます。予想される事態の深刻さにより、オゾン層保護対策はこれまで人類が直面した環境問題の中では異例の速さで進みました。

 1987年には、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択され、1992年には特にオゾン層破壊効果が高い特定フロンの製造を1996年までに廃止することが決まりました。現在は比較的オゾン破壊が少ない代替フロンと呼ばれるものが数種類使われていますが、これも2020年までに順次廃止されることになっています。

 しかし、これで問題は解決したわけではありません。これまで生産されたフロンは現在も大気中に放出され続けています。また、大気中に放出されたフロンがオゾン層にまで達するには10年以上かかるため、フロン対策の効果が現れるには時間がかかるのです。

 この間、南極上空のオゾンホールは拡大し続け、1998年から昨年まで多少の増減はあったものの、毎年9月から10月には南極大陸の2倍にも達する規模で出現しています。

オゾン破壊は今がピークか?


 では、今後オゾン層は回復するのでしょうか? 世界気象機関(WMO)によると、フロンなどのオゾン破壊物質は、対流圏(0~10㎞)では92~94年をピークに、成層圏(10~50㎞)では90年代後半をピークに減少しています。約20年にわたるフロンガス削減の国際的な努力の結果が、ようやく現れ始めているのです。

 2006年、国連環境計画(UNEP)とWMOが発表した報告書によると、中緯度地域(緯度30~60度)でオゾン層が70年代の状態に回復するのは2049年頃。南極上空のオゾンホールが消滅するのは2065年頃と見られています。

 しかし、油断は禁物です。オゾンホールの規模は頭打ち状態ですが、縮小しはじめたわけではありません。引き続き対策をとらないと回復が遅れる可能性が高いのです。また、人間が不用意に作り出した化学物質によって、これほどの代償を支払うことになった事実を反省すべきことはいうまでもありません。

 人類が直面しているさまざまな環境問題の中で、オゾン層の保護に関しては、先進国を中心とした国際協調により、異例の早さで有効な対策がとられました。その結果、人間は自ら引き起こした環境破壊のうちの一つを解決しつつあるのです。今、地球環境にとって最も深刻な温暖化も、世界が協力して取り組めば解決出来るのではないか? そう思えてきます。 (平成19年9月13日記す)

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