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 今サンゴ礁が急速に失われています。このままでは近い将来、世界のサンゴ礁のほとんどが消滅してしまうかもしれません。そしてその原因は人間が引き起こしている地球温暖化なのです。

1年に3000平方キロメートルが消失

 最近の研究によると、過去30年程の間に世界のサンゴ礁の生息環境は急速に悪化しています。年間3000平方キロメートルが消失していると推定され、すでに20%が失われ24%が危機的な状況にあるという報告もあります。

 サンゴ礁は熱帯・亜熱帯の沿岸に存在し、その面積は約62万平方キロメートル(日本の1.6倍)で、全海洋の0.2%にすぎません。しかし、そこには世界の魚類の4分の1が生息するなど豊かな生態系を形成しています。

 サンゴ礁とはサンゴ虫という動物が石灰質の骨格の上に無数に集まって出来たものです。サンゴ虫はイソギンチャクと同じ腔腸動物で、石灰質を分泌しながら無数の個体が集まって群体を作ります。石灰質の骨格の形によって、テーブル状・枝状・塊状など、さまざまな形になるのです。

 おもしろいことに、サンゴ虫そのものは動物ですが、褐虫藻という微細な藻類を体内に共生し、光合成を行っています。そのため、海水に溶け込んだ二酸化炭素を吸収して石灰(炭酸カルシウム)に変え、温暖化の防止にも役立っています。

 サンゴ礁にはサンゴが光合成によって生み出す栄養分によって、多種多様な生物が生息し、豊かな生態系を作っています。世界の漁獲量の10%はサンゴ礁域のもので、特に熱帯域の漁民にとっては重要なものです。また、天然の防波堤として熱帯域の海岸を高波から守っています。

原因は地球温暖化

 サンゴ礁が消滅している原因の第一は地球の温暖化です。サンゴ虫は温度変化に弱く、多くの種類はわずか1℃の温度上昇で体内の褐虫藻が死んで白変色する「白化」が起こり、2℃上昇するとサンゴ虫自体が死滅するといわれています。今、世界中で水温上昇によるサンゴの白化が進み、回復せずに死滅することも多いのです。

 また、最近の研究では水温上昇により、サンゴ自体の病気が拡大することも分かりました。大気中の二酸化炭素が増えて海水が酸性化したことも悪影響を与えているようです。

 このほかに沿岸部の開発による直接的な破壊や、それに伴う赤土流出などによる間接的な破壊、工業排水・生活排水による富栄養化、オニヒトデなどによる食害などもサンゴ礁の消滅に拍車をかけています。さらに、観光開発によってダイバーなどが押し寄せ、サンゴが痛めつけられることも問題になっています。

沖縄でも進むサンゴの白化

 沖縄のサンゴ礁が危機的な状況です。2007年も八重山諸島(石垣島西表島など)近海では海水温の上昇が原因とみられるサンゴの白化現象が大規模に発生しました。その原因は、東南アジアからフィリピン東沖の海水温が上昇するラニーニャ現象により、海水温が30℃を越えるなど平年より高かったことによります。

 沖縄に生息するサンゴの種類は、沖縄本島で約350種、八重山諸島では約370種で、これは世界最大のサンゴ礁であるオーストラリアのグレートバリアリーフに匹敵する数です。また同時に、そこに棲む魚や貝、エビやカニの種類も多く、世界でも有数の種の多様性を誇っています。

 一方、亜熱帯に位置する沖縄のサンゴ礁は、特に水温の変化に敏感だともいわれています。わずか1℃の温度変化で多くのサンゴが死滅し、それによって生態系の多様性が大きく損なわれる可能性が高いのです。

サンゴが作った現在の地球

 そもそも地球が穏やかな気候で生命が住みやすい星になったのはサンゴのおかげなのです。地球が誕生したのは約46億年前といわれていますが、原始地球は現在の20万倍、60気圧もの二酸化炭素と270気圧の水蒸気で覆われ、その温室効果によって気温は200℃にも達していたと推定されています。

 この膨大な量の二酸化炭素は、5億年以上前から地球に生息し続けてきたサンゴ虫などによって吸収され石灰に変えられました。セメントの原料として世界各地で掘り出される石灰岩はこうして作られたいわば二酸化炭素のかたまりなのです。

 人間は今、石油や石炭などの化石燃料を大量に消費することによって温暖化を引き起こし、地球を穏やかな気候に保ってきたサンゴ礁さえ破壊しようとしています。地球温暖化は、生命が数十億年かかって作り上げた地球の歴史を書き換えてしまうほどの大事件になろうとしているのです。 (平成19年10月17日記す)

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